コーカサス⑨ アルメニア エレバン近郊修道院めぐり編

9/28(土)AM9:00 ゆっくり起きてのんびり朝食。

ランチョンマットがアルメニアの伝統柄でかわいい。ご飯もまずまずの美味しさでした。

 

ドライバーさんが到着次第、部屋に連絡がくるというので待機。10:25になっても連絡がくる気配がないので直接フロントに行くも、結局ドライバーさんが来たのは11:00。アルメニアの方々は基本のんびり気質なご様子です。

 

このドライバーさん悪い方ではないんですが、おそらく正規のガイドではないと私はふんでます。詳しくは後述しますが、この時も到着早々「君のルートは通常ではありえない。ホルヴィラップとセヴァンはとても離れているので1日でまわるのはクレイジーだ。」と言われました。

 

いやね、だからチャーターしてるんだし。ルートももう伝えてあって承諾したからあなたここにいるわけであって、しかも時間かかるってわかってるんなら遅刻すんなや!と思っていても小心者の日本人な私。顔にはださずに笑顔でごめんねと伝えます。ちなみに他ブロガーさんの日記でも、タクシーなどをチャーターしてこのルートを1日でまわっている方はいらっしゃるので問題ないはずです。

 

出鼻をくじかれましたが、気を取り直して出発。

ノアの方舟が漂着したというアララト山。左は小アララト。大アララトは残念ながら雲がかかっておりました。現在はトルコ領です。

 

2時間ほどでホルヴィラップ修道院到着。

 

ホルヴィラップ修道院とは、アルメニア観光情報局さんによると。

キリスト教の布教に勤めていた聖グレゴリウスが、13年もの間捕われていた場所として知られています。結局、時のアルメニア王ティリダテス3世がこれに屈し、301年にキリスト教アルメニアの国教として定められました。

ってことで、アルメニアキリスト教国になったきっかけをつくった教会。内部にはグレゴリウスが幽閉されていた地下牢があります。

 

地下牢へと続く階段はこのように大行列。結局階段にたどり着けたのは1時間ほどたってからでした。

 

この狭くて急な階段をくだっていきます。

 

内部は狭く、2~3人が入るのがやっと。

小さな祭壇がありました。13年もここに閉じ込められたら、私きっと発狂する。

 

外に出るとこのような丘があるのを発見。

 

登りきるとホルヴィラップ修道院を一望できます。いい眺め。

 

思いのほか長く時間をとってしまったので、急いで次に向かいます。

 

と、ここで事件発生。どうやらドライバーさんが道を間違えてしまったらしく、途中でものすごい悪路を走ってました。ここまですごい道はさすがに初めての経験。ドライバーさんも自分がどこを走っているのかもわからない様子で、通りがかった人に道を尋ねていました。

 

アルメニアでも有数の観光地である次のゲガルド修道院。そこへ向かう道を間違えるとは、おそらくこのドライバーさんは正規のガイドではなさそうです。

 

通常のルートらしき道に戻り、ひと安心していたところドライバーさんの携帯に着信。笑いながら何かを話していたと思ったら、いきなり携帯を渡されました。表示はHotelTigranMets。電話にでると今回このドライバーさんを手配してくれたフロントの女性でした。

 

道に迷ったみたいだけど大丈夫だった?と気遣ってくれます。問題ないよ。大丈夫と答え、ドライバーさんに携帯を返しました。外は雨が降り出し、どしゃぶり。先が思いやられます。

 

目的地の手前で車をとめ、この辺りの名物だというパンを作る工房へ連れて行ってくれました。美味しいよ、と勧められましたがさすがにでかい。。。

見学だけに留めておきました。

 

パン工房からすぐ。大雨の中ゲガルド修道院入口に到着です。時間がないから急いで見学をするようにと言われ、走って修道院まで向かいます。

参道にもずらりと十字架レリーフ。ゆっくり見たいけど大雨だし時間がない。ドライバーさんが遅刻しなければ、さらに道に迷わなければ。なんてことが頭をよぎります。

 

修道院到着。ごつごつとした岩山に囲まれています。

ゲガルドという言葉は、アルメニア語で槍という意味。キリストが磔にされた際、最後の一撃を加えたロンギヌスの槍がここで発見されたといわれています。ロンギヌスの槍の実物は、エレバン近郊にあるエチミアジン大聖堂でみることができます。

 

晴れていれば天井から光が差し込み、幻想的な光景が広がるこの修道院。しかし外は大雨のため、内部はほぼ暗闇。ろうそくの明かりだけがたよりです。

 

岩盤を掘って建てられた洞窟修道院アルメニアの伝統的な工法だとか。

周囲にはいくつもの洞窟があり、当時の修道士たちはそこで禁欲的な修行を行っていたそうです。

 

あんなところにも十字架。アルメニアの方たちの信仰心の厚さには本当に頭が下がります。

 

大雨の中での結婚式。これはこれでいい語り草になりそう。

 

ゲガルド修道院は他ブロガーさんの評判もよく、とても楽しみにしていた場所のひとつでした。私はここはこういう縁だったと諦めるしかないですが、みなさんは後悔を残さないためにもやはり正規のガイドさんに連れていってもらうか、自力でいく手段を取った方がいいと思います。

 

後ほど共和国広場へ夜遅く行ってみましたが、車に案内をはりつけたフリーのツアーガイド車をいくつか見かけました。朝早い場合でも信頼できそうなタクシードライバーにお願いするなど、時間的な制約があってもなんとかなりそうです。

 

気を取り直して次。ガルニ神殿です。

ドライバーさんにトイレの場所がわからなかったと伝えたら、わざわざ車から降りてトイレの場所を案内してくれました。決して悪い人では。。。

 

ガルニ神殿は現在アルメニアに残る唯一のヘレニズム建築。異教の太陽神ミトラへ捧げられたものです。キリスト教を国教と定めた際、ほぼすべての神殿は破壊されましたが、この神殿だけは残されたそうです。17世紀の地震で倒壊し、現在みられるのは1970年代に再建されたものとなっています。

 

ガルニ神殿入口わきの道から行くことのできる世界遺産の石柱群「ストーンシンフォニー」も訪れたかったのですが、時間がなく雨が降って地面もぬかるんでいたので断念しました。ブロガーさんの写真をみると圧巻です。時間に余裕があれば是非行ってみてください。

 

観光客に愛想を振りまく3匹の犬。雨があがってきて傘も必要なくなってきました。

 

道中で虹が出現。残念ながらカメラには映りませんでした。

 

時間節約のため昼食抜きで移動していたのですが、ここでまたしてもドライバーさんの携帯が鳴りました。漏れ出ている声を聞いていると女の子のような甲高い声。子供でもいるのかしら?なんて思っていたらまたも携帯を渡されました。

 

表示はHotelTigranMets。なんと相手の声の正体はあのホテルフロントの女性でした。ここでピンときた私。おそらくこの2人できてるんじゃないか。。。そう思い至ると腑に落ちる点がいくつか。遅刻を強く注意できなかったのも、車が到着したときの女性の態度やツアー中に何度も電話がかかってきたこともこれで納得です。

 

2人が恋人であることに関してとやかく言うつもりはありませんが、せめて遠方から来た客には私情をはさまずちゃんとしたドライバーを紹介してくれよって思いました。。。確証はないですが、もうホテルにツアー手配は依頼しないと強く心に決めました(笑)

 

電話の内容はこれまたどうでもいい「昼食たべてないって聞いたけど大丈夫?」というもの。問題ないです。大丈夫!という言葉をもう1度繰り返し言って電話を切りました。だってこの状態でダメですって伝えても何もなんなくない?

 

最後はセヴァン修道院。湖に面して建っています。18:00には閉まってしまうとのことでしたが、無事に17:00には到着。間に合って良かった!

 

内部は小さいながらも綺麗に整えられていました。苦労してたどり着いた分、感動もひとしおです。

 

アルメニア修道院おなじみの十字架レリーフがここもずらり。

どうやらこのレリーフ、ハチュカルというアルメニア正教独特のものらしく、セヴァン湖畔にあるノラドゥズ村の墓地が特に有名だそう。ハチュカルは墓石として使われるだけでなく、アルメニア人とって大切な心の支えの象徴となっています。

 

セヴァン湖はコーカサスの真珠とよばれており、海がないアルメニアの保養地として国外からだけでなく国内各地からも観光客が多く訪れる場所となっています。

面積は琵琶湖の約2倍。でかい!

 

周囲の土産屋にはこのような青緑色の石が沢山売られていました。アクセサリーに加工されているものもあり、この辺りの特産品かと思われます。

アルメニアは黒曜石がとれるのでその一種かな?瑪瑙っぽくも見えます。

 

帰りはもはやドライバーさんを気遣うこともなく、J-POPをがんがんかけてエレバンへ。やっぱクラムボン最高。ドライバーさん眠そうでしたがこれくらいは我慢してもらわんと。

帰りに寄ったガソリンスタンドから。雨あがりの雲がいい具合です。

 

19:00すぎにホテルに到着。フロントをのぞいたらドライバーを手配した女性とは違う人が座っていました。仕事中に電話をかけていたのではない模様。本当に心配してくれていたようです。終わり良ければすべてよし!最後のセヴァン修道院も素晴らしかったしすべて水に流すことにしました。ブログにはこうして書いちゃってるけどね。

 

ホテルすぐそばにあるアルメニアの伝統料理を提供するレストラン「TavernYerevan」に行きましたが満席でした。お店がありそうな共和国広場まで行き、目についた適当なレストランに入店。

大人数向けのメニューが中心で、1人用はケバブしかないと言われたためそれを注文。臭みが全くなく、ジューシーで美味しかったです。ビールとよくあいました。

 

店内ではピアノの生演奏も。適当に選んだ割には素敵なレストランでした。

 

なんとなく口さみしかったので、コーヒーショップに立ち寄りデザートもついでに頼んじゃいました。

ななめ向いに座った2人組の女性と目があい、どこから来たの?と話しかけられました。「日本」とこたえると、「そう。楽しんでね。」と笑顔。いろいろあったけど、やはりアルメニアの人たちは親切で大好きです。

 

最後にもう1度共和国広場の噴水ショーをみて、今日の締めといたしました。なんやかや、充実した1日。明日はコーカサス旅行最後の1日。じっくり味わって観光していきたいと思います。

 

アルメニア エレバン最終日編につづきます。